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機動戦士ガンダムからガンキャノン


一年戦争のV作戦により開発されたRXシリーズの1機で、同じRXシリーズであるガンダムガンタンクと共通規格のコア・ブロック・システムが採用されている。
地球連邦軍初のMSガンタンクは、次世代の主力戦車 (MBT) として開発が進められていたRTX−44を急遽転用したものであったため、MSとしては機動力が低く種々の問題を抱えるであろうことは明らかであった。
このため、続くこの機体では、ガンタンクにおいて発生した機動性の問題を解決すべく二足歩行型として開発に着手した。
このとき、地球連邦軍では二足歩行型試作ロボット「RXM-1」が開発されていたため、このデータを基に開発が進められた他、鹵獲したジオン公国軍のザクの実戦データも反映された。
こうして完成したガンキャノンは、ジオン公国軍のMSと比べてもひけをとらないものとなり、初期試作型のRX−71−1に続いてRX−71−2として本機がジャブローで6機製作され、そのうち3機がテストのためにサイド7へ送られた。
その後、テスト中にジオン公国軍の強襲を受け、2機が破壊され、残った1機がホワイトベースで運用されることとなった。
運用構想において、白兵戦用のガンダム、長距離支援用のガンタンクと連携して中距離からの援護砲撃や狙撃を行う運用を前提としたため、人型の機体の両肩にペイロードを設け、240mm低反動キャノン砲を装備し、同時期に開発されたガンダムと同じくビームライフルを携行するものとなった。
中距離支援用と位置づけられるガンキャノンは、その運用構想から割り切った設計がされており、シールドを装備せずに装甲を厚くして対応した他、近接戦闘用の装備は頭部の60mmバルカン砲2門のみとし、ビームサーベルなどの強力な格闘戦装備を持たないものとなっている。なお、脚部にはハンドグレネード(手榴弾)を収めるためのラックが装備されている。
ガンキャノンの特筆すべき特徴の1つとして装甲厚と強度があげられる。
装甲材にはガンダムと同じルナ・チタニウム合金が採用されており、シールドを装備しない前提で運用されるため、胴体部分は240mm低反動キャノン砲の接射による爆風やジャイアント・バズの直撃に耐えられるほど装甲が厚い。
ただし、その他の部分についてはそうとも言えず、ア・バオア・クーの戦いでのザクIIが発射した280mmバズーカ弾の直撃によって右脚の膝関節から下を失った例もある。
本機の機体強度は公国軍のMSの5〜6倍とされる。
しかし、その分ガンダムと比べて歩行速度などの運動性・機動性が低下しているが、劇中ではそれほど問題とされるような描写はなかった。
ヨーロッパ戦線でマチルダ補給隊の出迎え護衛に赴いた際、カイ・シデンガンキャノンは戦域到着が遅くなり、「こいつは足が遅いからね」と言っている。
ガンダムに比べ重量がかさんでいるものの、背部ランドセルに装備されたスラスターにより、ジャンプしたりごく短時間飛行することが可能であるとされている。
コア・ブロック・システムの採用と相まって、ザクの4倍はコストがかかっているといわれている。
ガンキャノン以降、肩に固定武装の中距離支援火器を取り付けるというアイデアは後々まで生き続け、直系のバリエーションの機体以外にも、ガンキャノンディテクター、Gキャノンなどと言った類似コンセプトの機体が後に登場する。
V作戦で試作された3種のRXモビルスーツのうち、RX−7ガンダムRX−7ガンタンクのみ、Bパーツ股関節正面部分に「耐熱フィルムカプセル」があり、大気圏突入能力があるとされているが、ガンキャノンにも大気圏突入機能が装備されているとする文献もある。